そのまま洗って使えない事も無かったが、タレが染み付いてふたを開けるたびに蒲焼きの匂いがしたんじゃたまらない。カビだって生えるかも知れない。また、底板が紙製だったのでボコボコしていた。それで、底板を新しくして組み直そうと考えた。
板どうしは木工ボンドのようなもので接着されていたので、半日程水の中に浸しておいた。接合部分が白くふやけてきたらやさしく箱を分解する。スポンジと歯ブラシ、しつこい所はステンレスのスチールウールで、汚れと白い接着剤を丁寧に落とす。乾燥させたら、水分にあたった木材は肌が荒れているので簡単にサンドペーパーを掛ける。これをするとしないとでは仕上がりがぜんぜん違う。これで準備はできた。
組み立てだが、私の工作は基本木工ボンドだ。クランプでしっかり締めておくとけっこう丈夫だ。ホゾや釘の仕事は専門家に任せないときれいにできない。
接着剤を塗り側面を四角く組んで三角定規をガイドにクランプで締める。表側のはみ出した接着剤は濡れた布で丁寧に拭き取る。内側の角は適当に、取りすぎると強度が落ちるかも。三角定規を当てたまま静かに固まるまで待つ。側面が固まったら薄いベニヤ板(今回は2.5ミリのシナベニヤを使った)を直接底に当て鉛筆で寸法を採る。カッターで余分な所を切り落として底に接着する。コツは気持ち大きめにカットしてサンドペーパで微調節している。
蓋の裏には五ミリの桧の角材で桟を付けた。家内に提供してもらった古くなった化粧ポーチの革を内側に張って(青い部分)完成だ。危なっかしく保管に困っていた彫刻刀に家が出来た。